東山動植物園オフィシャルブログ

カバとコビトカバを比べてみると…

先日、恒例のサポーター限定イベントを開催しました。
このイベントは(公財)東山公園協会が募集している東山動物園サポーターを対象とした特別なものです。サポーター制度は今年で10年目。毎年、その資金を活用して、動物たちの生活環境を良くする遊具のプレゼントのご寄付をいただいています。


動物サポーター限定イベントの参加証


この限定イベントは、その遊具の提供に対する感謝の気持ちも込められています。今年は「カバとコビトカバを比べてみよう」ということで“カバ”をテーマとしました。イベント初日は「防災の日」と重なり、訓練用サイレンの音に驚いて、主役のコビトカバがプールから出てこないハプニングもありましたが、飼育員さんのお話も聞けるとあって、定員50人のイベントは2回ともほぼ満員でした。

カバとコビトカバは、同じカバ科でアフリカに生息し、ともに絶滅危惧種に指定される保護動物という共通点のある一方で、見た目の大きさだけでなく、生態や習性がまったく異なります。今回、参加されたサポーターの皆さんは、そのことをよく理解されたのではないでしょうか。

カバの絶滅が心配される理由の一つに、口を大きく開くとわかりますが、ともに立派な牙をもつことがあります。最近、アフリカゾウの象牙の代わりに、カバの牙をねらった密猟が増加しているとの情報があります。この機会に野生のカバにも関心をもっていただきたいですね。


野生のカバ(ケニア)


現在の展示は生息場所の違いがわかりにくいことから、将来のコビトカバ舎は「アフリカの森ゾーン」に、カバ舎は「アフリカのサバンナゾーン」に整備する予定です。また、せっかく東山動物園に来園して、カバは見たけど、コビトカバは見なかったという方が以外と多いようです。ぜひ、セットでご覧いただくことをお勧めします。

*動物サポーターに興味のある方はホームページをご覧ください。
http:www.higasiyama.jp/supporter

動物園長  黒邉 雅実


コサラ像 Night & Day

今年もナイトZOO&GARDENにたくさんのご来園をいただきありがとうございました。皆さんは夜の動物園で何が印象に残りましたか。私は、アジアゾウ舎(ゾージアム)前のコサラ像で、記念撮影されているご家族の姿がとてもほほえましく感じました。

普段は地味な感じのゾージアム前のコサラ像ですが、毎年、この時期は特別にきれいな飾り付けしてもらい、電飾効果もあって、ひときわ輝きます。これは、コサラのふるさとであるスリランカのペラヘラ祭をイメージしたものですが、ひとつだけオリジナルとの違いがあります。それは、背中に乗せているご神体です。東山では「ズーボ」ですが、本場のスリランカは少し違うようです。


普段のコサラ像


ナイトZOOのコサラ像


ペラヘラとは現地語(シンハラ語)で「行列」を意味し、「キャンデー・エサラ・ペラヘラ祭」とも呼ばれます。キャンディとは、開催場所であるスリランカ中央部の古都の地名で、エサラとは開催シーズンとなる夏(7~8月)のことです。新月から満月まで約2週間行われるスリランカ最大のお祭りです。パレードは、ご神体である『仏歯』(ぶっし)が納められる黄金の舎利容器を背中に乗せたゾウが先頭を飾ります。仏歯とはお釈迦さんの「犬歯」で、スリランカでは昔から王様の象徴とされ、現在も仏教徒の信仰の対象です。お祭りでは、電飾で彩られたゾウや伝統舞踊のダンサー達が踊りを披露し、太鼓の楽団が独特のリズムを鳴らしながら隊列を組んで街を歩きます。


現地のペラヘラ祭りの様子(スリランカ観光情報局)


現地で直接、その国の野生動物を見たり、その文化に触れることは簡単ではありませんが、ゾージアムにはアジアゾウの歴史や生息地のことをもっと知るための展示が充実しています。特に2階ではスリランカの文化を紹介するコーナーもあります。こうした情報はゾウのことだけでなく、その生息地や保護についても興味を持っていただくためのものです。アジアゾウをご覧いただいたら、コサラのふるさとのスリランカ文化にもぜひ触れてみて下さい。

動物園長  黒邉 雅実


コアラ舎の赤いライオン

コアラ舎の出口に赤いシーサー像があります。
シーサーは“招福・徐災”のシンボルとして沖縄で定着している獅子像です。沖縄では生活の一部として、屋根の上、門柱、床の間に飾られるなど大切にされています。


コアラ舎のシーサー像


なぜ、シーサー像が東山のコアラ舎に鎮座しているのでしょう。
この像は、沖縄県名護市にユーカリの栽培場があるのがご縁となり、1996年(平成8年)に愛知県の沖縄県人会連合会から寄贈をいただきました。ユーカリは品種の多いことで知られますが、コアラの好むユーカリは温暖な気候でないと育ちません。そのため冬場のコアラの飼料は沖縄から運んでいます。

実は、沖縄にユーカリの栽培場があることで一つ心配事があります。ユーカリは乾燥に強く、成長が早いことで知られますが、背丈の割に幹が細くて弱く、倒れやすい特徴があります。しばしば、台風の通過コースになる沖縄の栽培場は大きな被害を受けることがあります。

現在、全国に4カ所のユーカリ栽培場がありますが、供給先は季節によって変わるため、それぞれが大切なコアラのライフラインです。
このシーサー像は東山にとってコアラの守り神のような存在だと思っています。コアラ舎に来られましたら、そんな職員の思いが込められている“赤いライオン”の存在を少し思い出してもらえたら幸いです。


コアラ舎出口で会えます


動物園長  黒邉 雅実


こども動物園に残る竹林

先日6月2日に、レッサーパンダを東山動植物園に導入することをご報告いたしました。

実はレッサーパンダの飼育展示は初めてではありません。1950年代と1970年代にも飼育展示しており、繁殖をした記録も残っています。ですから“レッサーパンダを再導入します”が正確な表現かもしれません。

レッサーパンダは今でこそゾウ、コアラと並ぶ人気動物ですが、当時はそれほど知られておらず、今のようなブームもない時代でした。すぐ近くにアライグマも展示されていて、アニメの影響もあってか、そちらの人気の方が高かったようです。

展示場所は「こども動物園」エリアの一角で、すでに施設はありませんが、そのなごりは現在も残されています。それはレッサーパンダの餌用にと飼育員さんが植えた竹林(写真)です。現在の「こども動物園」の入り口手前の上り坂の脇にあります。ちなみに、当時のレッサーパンダ(写真)はこの笹を余り喜んで食べなかったとか。


現在も”こども動物園”に残る竹林


当時のレッサーパンダ


新しい展示場所は本園でライオン舎とトラ舎の間を予定しています。施設の整備はこれからですので、皆さんに見ていただけるのは平成31年(2019年)の予定です。少し先になりますが楽しみにして下さいね。

レッサーパンダはヒマラヤ~中国に生息地していますが、密猟や生息地の減少から生息頭数が減少したことが原因で絶滅危惧種(IUCN国際自然保護連合)に指定されています。再び、東山動植物園で繁殖に取り組むことはとても意義のあることだと思っています。

動物園長  黒邉 雅実


80周年記念イベントの見どころは

いよいよ、開園80周年記念イベントの開催まで1ヶ月余りとなりました。
現在は園内のあちこちで工事が進んでいます。10年に一度の特別な祭典とあって、記念イベントやワクワクするような見どころがたくさんがあります。
今回はその一部をご紹介したいと思います。

まず、スマトラトラ舎です。これまで、運動場をグルリと取り囲んでいたオリの一部を透明の強化ガラスに交換しました。
動物園のスマトラトラの運動場にある木製でデッキとの間の視界を遮るものがなくなるため、より迫力のあるダマイを体験していただけるようになります。

スマトラトラ舎の工事風景

次はインドサイ舎です。動物園の正門から入っていちばん最初に目に入ってくる動物。
インドサイの“ブンタ”の運動場にある人止め柵の一部をより動物に近い位置に移動させます。こちらは、サイの出すニオイや音までも体感していただけるため、サイの魅力を再発見していただけるはずです。

インドサイ舎の工事風景

そしてユキヒョウ舎。
その名も「ぴょんぴょんユキヒョウ」。ユキヒョウ舎の天井部分を改修し、より高く登れるようにしました。もともと高地の岩山に生息し、ジャンプの得意なユキヒョウがぴょんと駆け上がる姿を見せてくれることを期待しています。

ユキヒョウ舎の工事風景

その他にも動物会館では、かつて東山動植物園で飼育していましたアフリカゾウの全身骨格標本を展示するとともに、命を守り・種をつないできた動物園のこれまでの歴史をたどる特別展を開催するなど楽しい企画がほかにもいっぱいです。

3月18日(土)の開幕まで、待ち遠しいことと思いますが、その驚きは当日までのお楽しみ。ワクワク気分を感じながら待っていただけたらと思います。

開催は6月4日までの期間限定です。ぜひご来園下さい。


動物園長 黒邉 雅実


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