東山動植物園オフィシャルブログ

シャバーニおめでとう

秋まつりも終盤です。園内の紅葉もいい感じに色づいてきました。
今月12日に東山どうぶつ総選挙の結果発表がありました。
動物写真入りポスターが各獣舎前に掲示される中、2つの台風が上陸し、総選挙の盛り上がりを少し心配しましたが、2951票もの多くの投票がありました。



東山動植物園でも人気動物投票は2年に一度開催していますが、今回の主催は「NPO法人東山動物園くらぶ」(堤創代表)で、今回が初の開催。大きな違いは「個体」か「種」かです。東山動植物園は「種」に着目した人気投票ですが、東山動物園くらぶさんは「個体」(44個体を選抜)に着目しました。

気になる総選挙の結果は、1位と2位は予想どおり、イケメンで知られるシャバーニ(ゴリラ)と鳴き声がユニークと話題のケイジ(フクロテナガザル)でした。3位と4位は固定ファンの多いユキチ(ユキヒョウ)とヒカル(シンリンオオカミ)でした。



昨年の東山動植物園人気投票では「ゾウ」が1位でした。この結果は「アフリカゾウ」と「アジアゾウ」の獲得数を合算していて、総選挙では個体への投票になりますので、集計方法に違いがあります。総選挙ではケニー(アフリカゾウ)が5位、さくら(アジアゾウ)は6位という結果になりました。そして「種」の人気投票では2位で常に上位をキープしている「コアラ」ですが、総選挙ではマックス(コアラ)が7位で、ティリー(コアラ)は19位という結果でした。

今回の総選挙のテーマは「個体」でしたが、動物園で自分の好きな動物を見つけて、興味をもっていただき、その動物種を深く知っていただく機会につながることは、とても意味のあることだと思います。
現在、多くの野生動物が、自然界で問題を抱えています。そうした問題は私たち人間の行動と無関係ではありません。今回、総選挙に参加された皆さまが今後もお気に入りの動物にまた会いに来ていただき、こうした現状を知り、さらに東山動植物園の新たな魅力を発見する機会としていただけたら嬉しいです。
おめでとうシャバーニ。



動物園長  黒邉 雅実


10月23日は世界◯◯◯◯◯の日

10月7日(土)から秋まつりがスタートしました。今年も人気の飼育員によるアニマルトークや親子どうぶつ講座、東山初となる個体に着目したどうぶつ総選挙(主催:NPO法人東山動物園くらぶ)など楽しいイベントが盛りたくさんです。11月19日(日)まで開催しますので、ぜひご来園下さい。

さて、10月23日が何の日かご存知ですか。秋まつりのポスターにも登場していると聞けば、白くて愛くるしい動物の姿が頭に浮かんでくるでしょうか。そう、正解は「ユキヒョウ」です。

ユキヒョウは、ヒマラヤから中央アジアにかけて連なる山岳地帯に生息し、世界で最も高地にすむネコ科の野生動物として知られます。この日をユキヒョウの日と定めたのは2014年からです。前年、キルギス共和国で「世界ユキヒョウ保護フォーラム」が開催されたことを記念してWWF(世界自然保護基金)が制定しました。

ユキヒョウはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧種(VU)に指定されています。しかし、その生息環境の悪化と密猟から、今も減少の危機が続いています。その美しい外観から、ハンターに狙われると思われがちですが、実は少し違います!

データを詳細に分析してわかったことは、密猟の目的の55%は、家畜を襲われた報復で、毛皮を目的とした密猟は21%でした。野生動物の保護は地域の事情や状況を理解することが大切とつくづく感じました。


ユキチ


東山では、1984年に西ドイツ(当時)のクレフェルト動物園から来園した雄イシュランとソ連(当時)のレニングラード動物園から来園した雌バイカの2頭で、1988年から1992年にかけて7頭の子をもうけ大家族のユキヒョウとして有名になりました。昨年、雄ユキチのペアとして新たに雌リアンをむかえました。そして開園80周年を機にユキヒョウの施設も改修しました。今後も希少種であるユキヒョウの種の保存に挑戦して参りますので、応援をお願いします。


リアン


動物園長  黒邉 雅実


カバとコビトカバを比べてみると…

先日、恒例のサポーター限定イベントを開催しました。
このイベントは(公財)東山公園協会が募集している東山動物園サポーターを対象とした特別なものです。サポーター制度は今年で10年目。毎年、その資金を活用して、動物たちの生活環境を良くする遊具のプレゼントのご寄付をいただいています。


動物サポーター限定イベントの参加証


この限定イベントは、その遊具の提供に対する感謝の気持ちも込められています。今年は「カバとコビトカバを比べてみよう」ということで“カバ”をテーマとしました。イベント初日は「防災の日」と重なり、訓練用サイレンの音に驚いて、主役のコビトカバがプールから出てこないハプニングもありましたが、飼育員さんのお話も聞けるとあって、定員50人のイベントは2回ともほぼ満員でした。

カバとコビトカバは、同じカバ科でアフリカに生息し、ともに絶滅危惧種に指定される保護動物という共通点のある一方で、見た目の大きさだけでなく、生態や習性がまったく異なります。今回、参加されたサポーターの皆さんは、そのことをよく理解されたのではないでしょうか。

カバの絶滅が心配される理由の一つに、口を大きく開くとわかりますが、ともに立派な牙をもつことがあります。最近、アフリカゾウの象牙の代わりに、カバの牙をねらった密猟が増加しているとの情報があります。この機会に野生のカバにも関心をもっていただきたいですね。


野生のカバ(ケニア)


現在の展示は生息場所の違いがわかりにくいことから、将来のコビトカバ舎は「アフリカの森ゾーン」に、カバ舎は「アフリカのサバンナゾーン」に整備する予定です。また、せっかく東山動物園に来園して、カバは見たけど、コビトカバは見なかったという方が以外と多いようです。ぜひ、セットでご覧いただくことをお勧めします。

*動物サポーターに興味のある方はホームページをご覧ください。
http://www.higasiyama.jp/supporter

動物園長  黒邉 雅実


コサラ像 Night & Day

今年もナイトZOO&GARDENにたくさんのご来園をいただきありがとうございました。皆さんは夜の動物園で何が印象に残りましたか。私は、アジアゾウ舎(ゾージアム)前のコサラ像で、記念撮影されているご家族の姿がとてもほほえましく感じました。

普段は地味な感じのゾージアム前のコサラ像ですが、毎年、この時期は特別にきれいな飾り付けしてもらい、電飾効果もあって、ひときわ輝きます。これは、コサラのふるさとであるスリランカのペラヘラ祭をイメージしたものですが、ひとつだけオリジナルとの違いがあります。それは、背中に乗せているご神体です。東山では「ズーボ」ですが、本場のスリランカは少し違うようです。


普段のコサラ像


ナイトZOOのコサラ像


ペラヘラとは現地語(シンハラ語)で「行列」を意味し、「キャンデー・エサラ・ペラヘラ祭」とも呼ばれます。キャンディとは、開催場所であるスリランカ中央部の古都の地名で、エサラとは開催シーズンとなる夏(7~8月)のことです。新月から満月まで約2週間行われるスリランカ最大のお祭りです。パレードは、ご神体である『仏歯』(ぶっし)が納められる黄金の舎利容器を背中に乗せたゾウが先頭を飾ります。仏歯とはお釈迦さんの「犬歯」で、スリランカでは昔から王様の象徴とされ、現在も仏教徒の信仰の対象です。お祭りでは、電飾で彩られたゾウや伝統舞踊のダンサー達が踊りを披露し、太鼓の楽団が独特のリズムを鳴らしながら隊列を組んで街を歩きます。


現地のペラヘラ祭りの様子(スリランカ観光情報局)


現地で直接、その国の野生動物を見たり、その文化に触れることは簡単ではありませんが、ゾージアムにはアジアゾウの歴史や生息地のことをもっと知るための展示が充実しています。特に2階ではスリランカの文化を紹介するコーナーもあります。こうした情報はゾウのことだけでなく、その生息地や保護についても興味を持っていただくためのものです。アジアゾウをご覧いただいたら、コサラのふるさとのスリランカ文化にもぜひ触れてみて下さい。

動物園長  黒邉 雅実


コアラ舎の赤いライオン

コアラ舎の出口に赤いシーサー像があります。
シーサーは“招福・徐災”のシンボルとして沖縄で定着している獅子像です。沖縄では生活の一部として、屋根の上、門柱、床の間に飾られるなど大切にされています。


コアラ舎のシーサー像


なぜ、シーサー像が東山のコアラ舎に鎮座しているのでしょう。
この像は、沖縄県名護市にユーカリの栽培場があるのがご縁となり、1996年(平成8年)に愛知県の沖縄県人会連合会から寄贈をいただきました。ユーカリは品種の多いことで知られますが、コアラの好むユーカリは温暖な気候でないと育ちません。そのため冬場のコアラの飼料は沖縄から運んでいます。

実は、沖縄にユーカリの栽培場があることで一つ心配事があります。ユーカリは乾燥に強く、成長が早いことで知られますが、背丈の割に幹が細くて弱く、倒れやすい特徴があります。しばしば、台風の通過コースになる沖縄の栽培場は大きな被害を受けることがあります。

現在、全国に4カ所のユーカリ栽培場がありますが、供給先は季節によって変わるため、それぞれが大切なコアラのライフラインです。
このシーサー像は東山にとってコアラの守り神のような存在だと思っています。コアラ舎に来られましたら、そんな職員の思いが込められている“赤いライオン”の存在を少し思い出してもらえたら幸いです。


コアラ舎出口で会えます


動物園長  黒邉 雅実


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