東山動植物園オフィシャルブログ

カワヒガイの繁殖

「ヒガイ」
あまり聞きなれない名前の魚ですが、コイ科ヒガイ属の日本産淡水魚で、世界のメダカ館では自然生態ゾーンで飼育・展示しています。



名前の語源は、やせて弱々しいことを表す「ひがいす」という方言に由来するとの説があります。また、漢字では「鰉」と書きますが、これは明治天皇が好んで食されたことから「魚」へんに「皇」という字が当てられました。

ヒガイはタナゴの仲間と同じように、二枚貝に卵を産みつける独特の方法で繁殖します。世界のメダカ館でも、卵を産むためメスの産卵管が伸び、オスもメスを追う様子が見られたためイシガイやドブガイを水槽に入れて自然繁殖を狙いましたが、なかなか産卵してくれませんでした。そこでタナゴの仲間ではすでに人工授精による繁殖に成功していたので、その技術を使ってヒガイの人工授精を行いました。



ふっくらと膨らんだメスの腹部を軽く押すと、直径2.5㎜ほどの円に近い楕円形の卵が出てきます。産卵後しばらくすると4㎜ほどの大きさに膨らみ、形もまん丸になります。オスも同じように腹部を押して、出した精子を卵にかけ受精させます。その後、毎日水換えし、無性卵や中止卵を取り除くなど清潔な状態で管理すると、10日程でふ化します。ふ化した稚魚は1cmほどの大きさで、すぐに餌を食べ始めます。



今回行った人工受精では受精率が低く、8匹の稚魚しか得ることが出来ませんでしたが、この経験を元に繁殖技術を向上させていきたいと思います。このように世界のメダカ館のバックヤードでは、日々試行錯誤しながら魚たちの命を次世代に繋げるための様々な取り組みを行っています。


動物園飼育第二係  佐藤 正祐


すごいパワー!! 緑の水「グリーンウォーター」

 毎日暑い日が続いていますね。人間はぐったりするところですが、屋外で飼育しているメダカ達は元気いっぱいです!繁殖期真っ只中で、たくさんの産卵がみられています。



 私が担当する世界のメダカの仲間たちは、卵でふえる卵生です。もちろん二ホンメダカも卵生です。卵の大きさは、メダカの種類ごとに様々で、稚魚の大きさも卵の大きさにだいたい比例します。今まで飼育したことがあるメダカの中では、最小の種類で卵0.7㎜、稚魚3.0㎜、最大の種類で卵2.0㎜、稚魚7.0㎜です。

 稚魚は、口に入る大きさのものしか食べることができませんので、とくに小さな稚魚に与えるエサには、ワムシという動物性プランクトン(大きさ約0.02㎜)を使います。しかしそれでも100%の稚魚が成長するわけではありません。そこで、一部の種類では、緑色の水「グリーンウォーター」の中で育てる方法をとります。



 グリーンウォーターとは?

 屋外でバケツに水を入れたままにしておくと、緑色の水になったという経験お持ちではありませんか?その水の中には植物プランクトンがたくさんいます。

 植物プランクトンは大きさ約0.05㎜で、自然に水中にたくさん湧いて、メダカの稚魚のエサとなり、赤ちゃんメダカはすくすくと大きく育ちます。親メダカも、緑の水の中に含まれるたくさんのエサのおかげで、よい栄養状態で飼育できます。



メダカ館屋外の水槽


 もしメダカをご自宅で飼育されている方はお試しください。見た目は汚れた水に見えますが、メダカにとっては、とても良い水ですよ。


動物園飼育第二係  田中 理映子


メダカのいる風景

水槽をのぞき込んでるお父さんお母さん。
たまには童心にかえって、子供の目線で見上げてみませんか?
オトナ視点では見えなかった風景が、見えるかもしれませんよ。



動物園飼育第一係  加賀谷 優子


せっせと営巣中!

ハリヨは、3月下旬から5月中旬に産卵の最盛期をむかえるため、世界のメダカ館の展示水槽では、今まさにせっせと営巣中です!
ハリヨは、オスが巣作りをして稚魚の孵化(ふか)までを見守るイクメンな魚なのです!



動物園飼育第二係  前田 悠介


ハリヨの展示

世界のメダカ館では、希少淡水魚の「ハリヨ」を展示していますが、新たに水槽をもう一つ整備して、20匹のハリヨをこの水槽で飼育展示することにしました。

ハリヨは、岐阜県西部と滋賀県東部の湧き水が出る水辺しか生息しておらず、岐阜県の一部の生息地では国の天然記念物に指定されています。
ハリヨの生息地は年々減少を続け、大変貴重な淡水魚となっています。

世界のメダカ館でハリヨをご覧いただきながら、ハリヨが生息する水辺を想像していただけるととてもうれしいです。ぜひ世界のメダカ館へお越しください!

整備後の水槽です。

ハリヨです


動物園飼育第二係  水野 展敏


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